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「ゲームと歴史」研究部会 第2回研究会

日時 令和6年7月9日(火)18:00〜19:00
(受付/資料配布 17:30〜18:00)
場所 大阪電気通信大学 寝屋川キャンパスA号館1階 会議室7
題目 日本書紀のジグソーパズル タイプ2
発表者 高見友幸(大阪電気通信大学 総合情報学部)

概要

日本書紀のジグソーパズル タイプ2

第1回研究会では、日本書紀の紀年復原の方法およびその成果として得られた日本古代史の新しい年表を紹介した。そこで強調したとおり、日本書紀はまるで「ジグソーパズル」ような歴史書である。つまり、事績の凹凸と紀年の凹凸がきちんと整合するよう厳密な紀年設計がなされている。国家の歴史書に、このような一種の「遊び」が組み込まれているということには驚くが、そのような設計自体が原日本書紀の存在検証としてよいのではないかと考える。  今回の発表は、日本書紀に内在している「ジグソーパズル」タイプ2とでも呼ぶべき年表の紹介である。この年表は、原日本書紀から日本書紀へと発展する途中段階に位置するべき年表である。この年表は、1953年の笠井倭人説(原日本書紀の存在仮説)が正しい仮説だったことを検証するものでもある。  第1回の年表(こちらをタイプ1と呼ぶ)の最も大きな特徴は、崇神紀(301年〜)と垂仁紀(305年〜)の並立であるが、今回のタイプ2では、神武紀から雄略紀までが直列に並ぶ。タイプ1、タイプ2ともに笠井倭人説に基づき主観的解釈を抜きにして導くことができるが、日本書紀の編纂者はまずタイプ1を設計し、万世一系のタイプ2を前提に紀年延長をして、現存の日本書紀が完成したものと考える。

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